トイレから戻ると教卓を元に戻していないのに気がついた。
教卓に触れ、腕から手の平にかけて力を込める。そこでふと思った。 僕らのクラスの担任は数学の教科担であり、変人である。 授業の際は教卓を端によけて黒板の周りを広くする。のびのびと授業をするために。 2年ほど彼と関わっていると分かるだろうが、彼らしいといえば彼らしい。 不思議なことに、辞書で傍若無人、無責任、いい加減等の単語を引くと彼の説明文が出る。 教卓の移動は数学係と呼ばれる生徒の仕事だ。本来ならば、たまに数学の課題のノートを集めたりするだけの楽な仕事のはずが、件の仕事のせいで中々面倒くさい役割になっている。 僕は数学係ではなかった。今日からの話。 生徒会の役員に推薦され、見事当選してしまったため昨日、クラスの係りで人事異動があったのだ。だから僕は昨日までは数学係だったはずだが今はもう違う。生徒会副会長という大そう立派な肩書きがある。 机を動かすべきだろうか――――― 自分の仕事ではないからといって、やらない、いや、やってはいけない理由になるような事ではない筈だ。むしろやってあげたほうがいのだろうか。 しかし、現数学係はどう思うだろう。自分の役割をとられるというのはあまりいい気持ちがしない気もする。そもそも“やってあげる”という考え方が傲慢ではないだろうか。いや、いくらなんでもそれは否定的に考えすぎだ。 しかし元はといえば僕の勘違いがこのような事態を引き起こしたのだ。ならばここまで来たら最後までか――――「ちょっとどいて」 と、現数学係に声をかけられた。僕は半ば飛びのくように後ずさった。 結局、机は現数学係の手によって戻された。 日直が黒板を消し始める。前列に座って本を読んでいた生徒が、装着していたヘッドフォンを取り外す。教室中が、教室が、声を潜めはじめた。 今や黒板の真ん前に在る。教卓と僕の距離が、輪郭をなぞる様にはっきりとする。 よかったのか、これで――――――? 頭上でチャイムが鳴った時、僕は何も考えていなかったので、ハっと驚いた。思い出したように自分の机に向かう。席についても尚生徒たちの会話は止まない。携帯電話の開閉の音がする。 だんだんと低音になってゆくチャイムが、いつものように休み時間の終わり告げていた。 #
by shadowheartsuru
| 2007-11-10 16:46
| 休み時間
「降下ポイントだ。これより味方と合流する。目標地点に降下したら、合流地点までケツに火をつけて走れ!」
「Ser YES Ser!」 「よし、GO!」 バサァ 「ちくしょう! 援軍はまだか!」 「またせたなフランクリン!」 「おおフランク! お前が来てくれるとはな」 「戦況は?」 「第一小隊が壊滅。第三小隊とは連絡が取れない」 「中々どうして面白いショーになっているじゃまいか」 「古傷が疼くじゃまいか」 「だいぶやばいことになってるみたいだぜボブ」 「大丈夫さジミー。俺たちの隊長さんはあの伝説の第08小隊のWフランクだぜ」 「そ、そうか」 「それはともかく、俺、この戦争が終わったら彼女に告白するつもりなんだ」 #
by shadowheartsuru
| 2007-10-09 19:04
| ちょび駄文
炊飯器 の検索結果 約 3,390,000 件中 1 - 10 件目 (0.08 秒)
〔 ○○tional からの大切なお知らせとお願い 〕 1985年(昭和60年)から1992年(平成4年)製の○ショナル○○式炊飯器には事故に至る危険性があります。当該対象製品を未点検のままご使用になりますと、一酸化炭素を含む排気ガスが、室内に漏れ出したり、人事部の里内さんに連れてかれて死亡事故に至ちゃったりしちゃったり。 屋外に吸排気塔、又は”アレ”があるものは、至急ナ○ョナルまでご連絡ください。 対象製品のお引き取り(1台あたり5万円お支払いいたします)、もしくは無料で給気ホース部の点検修理と”コレ”を装着させていただきます。不使用の対象製品も、あの人も使ってる製品も、ついでにおじいちゃんも、おばあちゃんも、あの日の淡い恋ごろも、ちょっと人に見せるのが恥ずかしい収集品も、ひ弱なクラスのいじめられっこ東京都国分寺市在住T田さん家の長男さげる君も、お引き取りさせていただいております。 今、人類と炊飯器の戦いが始まる……。 。。。ババババババババババババババババ。。。。。。。。 「ザザッ、ザー こちら08小隊。現在、”敵”と交戦中、至急増e……ザー」 #
by shadowheartsuru
| 2007-09-22 23:29
| ちょび駄文
そして、その米を食った人々は死んだ。
全世界に広まったその謎の炊飯器の正体を人々は必死に知ろうとした。 政府からの公式の記者会見が開かれた。 「総理! あの炊飯器は一体なんなんですか!」 「ググレカス」 「イミフwwwうはwwwwおkwwww」 #
by shadowheartsuru
| 2007-09-17 14:11
| ちょび駄文
その日地球の人口が13桁を突破した。
人類は、多大な食糧難に見舞われていた。 その時だった。 はるか上空から謎の物体が高速で、世界各地の地上に落下したのだ。 その衝撃で、人類の4分の3が死滅した。 その物体とは。 炊飯器だった。 生き残った人々は、その炊飯器で米を炊き、空腹から逃れた。 #
by shadowheartsuru
| 2007-09-11 21:49
| ちょび駄文
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